このブログ『子供とスノーボード』も開設から1年が経ちました。
まだまだ拙い文章と写真ですが、それでも読んで頂けていることに本当に感謝しております。ありがとうございます。
この1年間、子供とスノーボードをするときに役立つ情報を提供したいと思い、そのことに特化して記事を書いてきました。ですが、まだまだ書けていない情報がたくさんあります。
仕事と子育てが優先のため、スローペースではありますが、今後も書き続けたいと考えておりますので、これからもよろしくお願いします。
さて、このブログの1周年企画として何かやりたいと思い、このブログの運営者である私の滑った記録とその時の心境を、『おやつパパの滑走記録』として書いてみることにしました。
運営者である私のことを、ちょっと知ってもらえればという気持ちからです。
子供とスノーボードをするのには、まったく役に立たない内容ですが、興味があればお付き合い下さい。
今回の滑走記録は、2018年3月25日に北八甲田赤倉岳東面を滑ったレポートです。満足な滑りとはいきませんでしたが、直近の滑走記録をお届けします。
なお、滑走記録なので、臨場感を出したいという理由で、いつもとは文体も変えて書いていきます。失礼があることをお許しください。
実はウキウキしていない
AM5:00。目覚ましが鳴る。
この時期の朝は寒い。「もう少し寝ていたい」「布団から出たくない」が正直な気持ちだ。
布団の中でモゾモゾしながら考えるのは、「登るの疲れそうだな」とか、「怪我しなきゃ良いなぁ」とか、「雪崩起きたらどうしよう」とか。
実は、マイナスな事が多いんだ。
それなら行くのを止めれば良いのだが、なぜか起き出して準備を始めてしまうのだから、やっぱりバックカントリーが好きなのだろう。
行きの運転中も、ルンルン気分というよりは、期待と不安の入り混じった複雑な気持ちだ。車の暖房の設定温度を高くしても寒く感じるのは、緊張している証拠だろうか?
もちろん、ゲレンデでは味わえない斜面を滑るのは大好きだ。でも、登るツラさや事故のリスクを考えないほど、お気楽な性格ではないのだ。
ロープウェイ運休?
途中の道の駅で、「強風の為、ロープウェイ運休」という情報を仲間から聞く。
「帰ろうか?」との思いもチラつくが、八甲田は綺麗に見えているし、天気図的にも大丈夫な気がするので、とりあえず向かうことにした。
到着すると、案の定ロープウェイ運休の看板が出ていた。でも、山麓駅付近はそれほど風もないし、天気も良い。
なら、もう少し待ってみるかと相談していたタイミングで「運行を開始します」という放送が入った。
「んじゃ、行きますか!」
いざ山頂へ
放送を聞いた直後に準備を始めて乗り場に行ったにも関わらず、始発便には乗れなかった。みんな、運行開始の放送を聞く前に並んでいたらしい。恐るべし八甲田ローカル。
第2便で山頂駅へ到着。風が少し強いことと、ところどころに見える雲が気になるが、向かう赤倉岳の山頂も見えている。この程度なら大丈夫と判断し、登山を開始する。
ここで、今回の計画をご紹介。
まずはロープウェイ山頂駅から5分ほど登る。そうすると、写真のように登るルートが一望できる場所に出る。
黒の矢印のラインを滑り降り、止まったところでスノーシューに履き替える。緑のラインを歩きながら登るルートを探し、黄色いラインを登って山頂へ。滑るのは写真には写っていない、赤倉岳の反対側の斜面。
ざっくり言うとこんな感じだ。
黒のラインを滑り出すと、ボードを付けた場所の雪は柔らかかったのに、雪が風で飛ばされカリカリのアイスバーンが露出した所が多いことに気づく。
ブーツのヒモを締めずに滑り出したので、ボードがコントロールしにくい。アイスバーンでスピードを出すのが怖く感じた。
けれども、ここはスピードを出したい。というのは、スピードを乗せて滑る距離を伸ばせば、緑のラインを歩く距離が短くなるからだ。
どうせすぐに登ることになるからと、面倒臭がってヒモを締めかなったことを後悔したが、なんとか直滑降で転ばずに滑りきった。
でもね。。。今日滑りたいのは黒の矢印と同じ方向を向いている斜面なんだ。ということは、もしかしてカリカリか??
そう考えると少しテンションが下がったが、スノーシューに履き替えて登山を開始する。
登り始めの地点から見ると、山頂は遥か遠くに感じる。なのに、1時間足らずでそこまで行けてしまうのだから、人間が歩くのってすごいなと毎回思う。
ときどき突風にあおられ、ヤバイかなと思うときもあったが、基本は追い風が味方してくれたので、なんとか山頂にたどり着けた。
滑るルートを決める
山頂を越えて反対側に回れば、滑る斜面が見えてくる。
この斜面の印象は、急斜面ではないがとにかく長い。そして広い。
写真では分かりにくいと思うが、黄色い丸の中の黒い点が滑走中の仲間。斜面の大きさを感じてもらえるだろうか?
ここに来たのは、今回で4回目。
実は、1回目2回目は最高の滑りになったが、前回はこのラインを滑ろうとしていたのに、間違って違うところを滑ってしまったのだ。
結果としては同じ場所に滑り降りることになるが、滑る楽しさと滑ったあとの満足感が全然違った。
今回は間違えたくない。慎重にルートを選定してから滑る準備を始めた。
滑る前の心境
いつも滑り出す直前が一番緊張する。
今回は、それほど急斜面でもないし、雪質的に雪崩のリスクは少ないので、いつもよりはマシだった。
それでも、滑る時間はたった3分ほど。そのためだけに往復4時間も運転し、1時間も登ってきた。
ゲレンデなら、リフトに乗ればやり直しがきくが、バックカントリーでは、それは出来ない。この1本の滑りは、無駄には出来ないんだ。
攻めすぎて怪我をしてはいけないし、守りすぎても楽しめないから後悔するだけ。そのバランスが難しい。
そんなことを考えると、やっぱり緊張してしまうんだ。
赤倉岳東面のデカい斜面を滑る
覚悟を決めて滑り出す。
山頂付近は予想した通り、アイスバーンがところどころで露出している。
アイスバーンを避けるように滑り繋ごうとするが、そううまくはいかない。アイスバーンに乗り上げ、ガリガリっという音にビビりながらも滑り続ける。
大きめに5~6ターンすると、雪質が急に柔らかくて重い雪に変わった。少しの標高差でも雪質が変わるんだ。
これならイケるとターンの落差を大きくしたとき、見えてきたのは波打った斜面。数日前に降った雪が、風で波紋を描くように積もったらしく、天然のウエーブのようになっていた。
それなら、これを利用して格好よくエアでも決めようかと頭によぎったが、間隔が狭く、飛んだら次の段差で飛ばされる気がしてやめた。
ウエーブは斜度がなくなるところまで続き、長い斜面の後半はウエーブの処理だけして終わってしまった。
結局、満足いくターンは、アイスバーンが終わってウエーブが始まるまでの1ターンのみ。
完全にハズレだった。
それでもなぜか楽しいのがバックカントリー
安全な場所へ移動し、小休憩にする。振り返るとこんな景色。
さっきまであの山頂に居たのかと思うと、スノーボードってすごいなーと思う。
雪に恵まれず理想とする滑りは出来なかったが、この広大なバーンを滑れたことには満足している。そして、もっとコンディションが良いときに来ようと思ってしまう。
その結果、懲りずにまた来るのだろう。
締めは温泉
休憩後は、40分ほど斜度がないところを滑らない雪に苦労しながら進み、無事に車にたどり着いた。ビーコンの電源を切り、今回のバックカントリーツアーが終わった。
そのあとは温泉。疲れれば疲れるほど温泉が気持ちいい。このためにわざわざ疲れることをしているのかと思ってしまうほどだ。
そして、仲間と今日のツアーを振り返りながらお湯に浸かるのも幸せな時間だ。
これからについて
ここまでお読み頂きありがとうございました。次回からは、子供とスノーボードをするときに役立つ情報に記事内容を戻して更新していきますので、よろしくお願いします。
もし、私の滑走記録にも興味を持っていだだけるようであれば、これからは、時々バックカントリーの滑走記録を書いていこうかとも考えています。