「子供には基本をしっかりと習わせたい」とか、「変なクセはつけたくない」と考えてスノーボードスクールを受講させようと考えている方に、元スノーボードインストラクターから提案したいことがあるんです。
それは、子供にスクールを2回受講させる金銭的な余裕があるなら、子供が1回、親も1回受講したほうがお得だということです。
これは、スノーボードスクールで勤務していた実体験から感じたことです。
今回は、なぜ子供に2回ではなく、親子で1回ずつ受講した方がお得かということについて書いていきます。
一緒に滑っている人と似てくる
私がインストラクターをしていたとき「この親子は滑り方が似ているなあ」と感じたことが何度もあります。
また、いつも一緒に滑っている友達同士のグループのレッスンを担当したとき、「このグループ、同じクセがある」と感じたこともありました。
他に、私の例を挙げますと、実は私は、低速で滑るときは腕をダラリと下げて滑るクセがあります。長女には基本姿勢を教えるときに、「腕は上げる」と教えたのですが、やはり長女も腕をダラリと下げて滑っています。
恥ずかしいのですが、最初の写真のような感じです。
このように、一緒に滑っている人は、不思議と滑り方が似てくるんです。
親の悪いクセも似てしまう
私の腕をダラリとさせるクセが似てしまったように、子供は親の悪いクセまで似てきます。
これが、子供にスクールを受講させただけでは、なかなか直らないんです。その例として、私がインストラクターとして体験したことを挙げてみます。
私がスクールで働いていた時に、どうしても体が開いてしまう子供がいました。
体が開いてしまうというのは、必要以上に体を捻って、上半身を進行方向に向けてしまうことです。スノーボードでは体は横向きで滑っていくのですが、そうではなく、進行方向に体をひねって正面を向けてしまうのです。
その子は、スクールの常連さんだったので、私も何度か担当したことがあります。それで、私はレッスン中に、「体は横向きだよ!」ということをメインに指導しました。
他のインストラクターが担当したときも同じことを感じたらしく、「体は横向き!」をメインに指導していたようです。
ところが、レッスン中は直るのですが、なぜか次に受講するときは元に戻っているのです。
その原因は、その子がお母さんと一緒に滑っているのを見たときに判明しました。その子のお母さんが、体を開いた姿勢で、その子の前を滑っていたんです。
レッスン以外の時間はお母さんと滑っているので、スクール受講中は直っても、また母さんの滑り方に似てきて、次に受講するまでに元に戻ってしまっていたのですね。
子供に悪いクセを付けさせないために親も滑りを修正しよう
このように、一緒に滑る時間が長い親子は、滑り方が似てきて、子供にスクールを受講させただけでは、なかなか直らない場合があります。
なので、「子供にヘンなクセを付けさせたくない」と考えているなら、親もスクールを受講して滑り方を修正するべきなんですね。
これが、「子供にスクールを2回受講させる金銭的な余裕があるならば、子供が1回、親も1回受講したほうがお得だ」と提案するひとつ目の理由です。
インストラクターはスノーボードのことを話したくて仕方ない人達だ
私もそうですが、インストラクターは、基本的にスノーボードの話をするのが大好きな人達です。日中はレッスンしながらお客様とスノーボードの話をして、寮に帰ってからも仲間でスノーボードの話をしています。
そのくらいスノーボードのことが好きなので、スノーボードに関した質問をすれば、喜んで答えてくれるはずです。
例えば、「子供と練習するならどのコースがオススメ?」とか「どのような練習をしたら良いの?」などの質問にも、レッスンの妨げにならない程度に答えてくれるはずです。「企業秘密ですから」とか言うインストラクターはまず居ないでしょう。
インストラクターは教える知識も経験も持っていますから、レッスン中の短い空き時間でも、良い話を聞ける可能性が高いです。リフトに乗っている数分間でも有効な情報を得られるでしょう。
つまり、レッスンを受けると、自分の滑り方を修正出来るだけでなく、それ以外の情報も得られるのです。
子供も、レッスン中にインストラクターからいろいろ教えて貰っているはずですが、やはり子供が聞くのと親が聞くのとでは理解力が違います。
ですから、親が聞いた方が、レッスン中に聞いたことをレッスン受講後にも活かしやすいです。
これが「子供にスクールを2回受講させる金銭的な余裕があるならば、子供が1回、親も1回受講したほうがお得だ」と提案する2つ目の理由です。
正しい知識が身につく
子供がスノーボードに行くたびにスクールを受講するなら話は別ですが、スクールを受講せずに親子で滑る機会もあるかと思います。
そのとき、子供が出来ないことがあったら、アドバイスをしたくなると思うんです。
でも、そのアドバイスが独学や滑れる友人に教えてもらった程度の知識では、本当に正しい操作の仕方なのか疑問です。
というのは、私は長い時間をスキー場で過ごしているので、滑れる人が初心者の人に教えている光景をたくさん見てきました。その中には、「この人に教えられるのはかわいそうだなあ」と思ってしまうような場面もあったのです。
スクールでは、基本に基づいたボードの操作を教えてくれます。親がスクールを受講した経験があれば、それに基づいてアドバイスをすることが出来ます。そのため、間違ったアドバイスをすることがなくなります。
これが、「子供にスクールを2回受講させる金銭的な余裕があるならば、子供が1回、親も1回受講したほうがお得だ」と提案する3つ目の理由です。