子供に木の葉落としを教えているのに、行きたい方向に行けるようにならないということはありませんか?
例えば、子供に「右側に行きたいなら右足に体重を乗せる」と教え、子供もちゃんと右足に体重を乗せているのに、なぜか右に進めないという場合です。
このとき、その原因が分からないと「もっと右足に体重を乗せて」とか「もっと右に体を傾けて」と教えがちです。
ですが、この教え方では出来るようにならないんですね。
今回は、木の葉落としで行きたい方向に行けない原因を説明しながら、どう教えたら、行きたい方向に行けるようになるかを解説していきます。
行きたい方向に行けない原因
木の葉落としで行きたい方向に行けない原因は、反対側のエッジが立っていないことです。
上の写真で説明しますと、緑の矢印の方向に行きたいときには、赤の矢印方向に体重を移動します。ですが、黄色の丸の部分のエッジが立っていないと、緑の矢印の方向には進めないのです。
(エッジが立っていないというのは、ボードの傾きが足りないことです。この写真の場合ですと、黄色い丸で囲まれた左足のつま先を持ち上げてボードの傾きを強くしないと、緑の矢印には進めません)
では、なぜ、黄色の丸の部分のエッジが立っていないと、緑の矢印の方向に進めないのでしょうか?
その理由は、ボードが進むべき方向に向かないからです。
木の葉落としをする場合、右に行きたい時には、ほんの少しですがボードが右下がりに斜めになります。
上の写真のように、行きたい方向側が下がって斜めになるのです。このように斜めにならないと、緑の矢印の方向には滑っていけません。
ですが、行きたい方向と反対側のエッジが立っていないと、反対側が下がって逆の斜めになってしまうのです。
上の写真のように反対側が下がってしまうと、どんなに右側に体重を移動しても、緑の矢印の方向には滑っていけないのです。
どうしてエッジが立たないと反対側が下がってしまうのか
どうしてエッジを立てないと行きたい方向の反対側が下がるかというと、反対側のブレーキが弱くなるからです。
スノーボードは硬いように感じますが、ねじることが出来るんです。
試しに、ボードを装着した状態で、右足のつま先は持ち上げ、左足のつま先を下げるようにすれば、ボードがねじれることが確認できるはずです。
ボードがねじれるとどうなるかというと、右足と左足でエッジの立て具合が変わります。
上の写真のように、右足のつま先は持ち上げ、左足のつま先は下げると、右足側に比べて左足側のエッジが立たなくなります。そうすると、左足側のブレーキが弱くなるんです。
その結果、ブレーキが弱い左足側が下がっていくので、ボードが斜めになります。
上の写真のように、行きたい方向の反対側が下がってしまうんですね。
行きたい方向の反対側のエッジが立たなくなる原因
では、木の葉落としのときに、どうして反対側のエッジが立たなくなり、下がってしまうのでしょう?
その原因は、腰を後ろに動かすようにして、右に体重を移動していることです。
上の写真で説明しますと、右に体重を移動しようとした時に、腰の位置が黄色の矢印方向に動いていると、行きたい方向の反対側のエッジを立てるのが難しくなるんです。
なぜかというと、この方向に腰を移動してしまうと、つま先を持ち上げにくくなるんです。ですから、どうしてもエッジを立てられないんですね。
そして、このように腰の位置が後ろに動いてしまう子供は、体重をさらに移動してしまうと、ますますつま先が持ち上げにくくなります。
ですから、「もっと体重を移動して」とか「もっと体を傾けて」と教えても、行きたい方向には行けるようにはならないんです。
どのように教えれば良いのか
ここまでで、木の葉落としで行きたい方向に行けない原因を説明してきました。
では最後に、この原因を踏まえつつ、どのように教えれば行きたい方向に行けるようになるかを書いていきます。
腰の位置が後ろに移動してしまう原因は、体重を移動しすぎていることが多いので、「行きたい方向に少しだけ体重を移動する」と教えます。
少しの体重移動でも、腰の位置が後ろに行かなければ、行きたい方向に進むことができます。
出来ない場合には、「もっと体重を移動して!」と教えたくなるのですが、そうではなく「少しだけ体重移動と!」教えてあげましょう。
そうすることで、木の葉落としができるようになることが多いです。
それでも行きたい方向に行けない場合には、思い切って体重移動で木の葉落としをすることをやめてしまうのが効果的です。
体重移動で木の葉落としができるようになれば良いのですが、体重移動をしてしまうと腰の位置が後ろに移動してしまう場合には、体重移動をしないほうが良いんですね。
どのように教えるかというと、エッジの立て具合を変えることで木の葉落としするように教えます。前に書いた、板のねじれを使って木の葉落としをしていくのです。
例えば、バックサイドの木の葉落としの場合、右に行きたければ、「横滑りをしている時に右のつま先だけを少し下げる」と教えます。左に行きたい時は、「左のつま先を少し下げる」と教えるんです。
そうすれば、ボードがねじれて、つま先を下げた方だけブレーキが弱くなるので、そちら側が下がって行きたい方向に行けるようになります。
それで、右に行くのをやめたくなったら「下げていたつま先を持ち上げる」と教えます。
こうすることで、直接エッジの立て具合を調整するようになるので、体重移動で木の葉落としをするよりも、行きたい方向と反対側のエッジが立たなくなることがなくなります。