子供にスノーボードを教えるときに絶対に言ってはいけない言葉があります。
それは、「何で出来ないの?」です。
この言葉、子供にスノーボードを教えるとき、つい言ってしまいそうですよね?
でも、言ってはいけないのです。
その大きな理由が、
1.「何で出来ないの?」と言っても子供は上達しない
2.「何で出来ないの?」と言わないようにすると教え方が上手くなる
ということです。
今回は、この2つの理由について、詳しく説明していきます。
インストラクター認定講習会の講師の言葉
実は、「何で出来ないの?と絶対に言ってはいけない」というのは、私がスノーボードインストラクターをしていた時に気付いたことではありません。
C級インストラクター認定講習会で、講師が言っていた言葉なんです。
C級インストラクター認定講習会とは、日本スノーボード協会(JSBA)が行っている講習会で、インストラクターをやりたい人が最初に受ける講習会です。
その講習で、これからインストラクターを始める人に向けて講師が語ったのが、「お客様に対して、何で出来ないの?と絶対に言ってはいけない」ということだったんです。
「何で出来ないの」と言ってはいけない2つの意味
講師の話では、「何で出来ないの?」と言ってはいけないのには、理由が2つありました。
1つ目は、滑り方を説明し、お客様がその通りに出来なかったとき「なんで出来ないの?」と言ってしまっては、お客様が不満に感じるだけで上達しないこと。
2つ目は、滑り方を説明し、それが出来なかったときに「何で出来ないの」で終わってしまっては、インストラクターとしてのスキルがアップしないことでした。
自分の子供にスノーボードを教えていて感じたのですが、これって、自分の子供に教える時にも、同じことが言えるんですね。
そう感じて、自分の子供に教えるとき用に私なりに言い換えたのが、冒頭で紹介した、
1.「何で出来ないの?」と言っても子供は上達しない
2.「何で出来ないの?」と言わないようにすると教え方が上手くなる
ということです。
前置きが長くなりましたが、このことを順に説明していきます。
「何で出来ないの?」と言っても子供は上達しない
「何で出来ないの?」と言っても子供は上達しません。
というのは、「何で出来ないの?」と子供に言っても、子供には、出来ない理由は分かるわけがないんですね。
そして、言っている側も、そのことは薄々感じながら、「何で出来ないの?」と言っているはずなんです。
つまり、「何で出来ないの?」という言葉は、子供に対して、出来ない理由を求めているわけではなく、ただ単に、出来ないことに対しての不満をぶつけているだけなのです。「次にどうしたら出来るようになるか」ということが無いんですね。
次につながるアドバイスが含まれていないので、この言葉からは、なんの上達も期待できないのです。
それだけでなく、出来なくてショックを受けている子供に、分かるはずのない理由を求めることで、さらに追い詰めることになります。
そうすると、緊張して体が動きにくくなり、もっと出来なくなってしまうのです。
子供が落ち込むばかりで上達が期待できなくなるので、教えるときは「何で出来ないの?」とは絶対に言ってはいけないのです。
「何で出来ないの?」と言わないようにすると教え方が上手くなる
教える側のあなたが、「何で出来ないの?」と言わないようにすると、教え方が上手くなります。
その理由は、「何で出来ないの?」と言ってしまうと、出来ない子供を責めるだけで終わってしまうのに対し、言わないようにすると、次のアドバイスを考えるようになるからです。
インストラクター場合でも、お客様に滑り方を説明し、その通りにお客様が出来ないこともあります。
そのとき、どうすれば出来るようになるかを考え、違う表現で説明したり、違う練習方法に切り替えてみたりします。
子供に教える時も同じで、滑り方を説明し、その通りに出来なかった時に、「何で出来ないの」で終わってしまっては、親の教えるスキルがアップしません。
どうして出来ないかを考え、次にどうしたら出来るようになるかをアドバイスするだけでも、「何で出来ないの?」と子供を責めるよりは、ずっと上手い教え方になります。
また、自分の子供に教える場合には、いろいろな教え方を試すことが可能です。
私も、インストラクターをしていた時には出来なかった、「さっき教えたことは忘れて!で、次はこれを意識してやってみよう!」のようなアドバイスをすることもあります。
そうして、思いついたアドバイスを試して、子供が上手くできるようになれば、あなたの教え方は確実に上手くなっているのです。
私のような有名人でもない者が書いたこの記事を読んで下さっているあなたは、子供にスノーボードを上手く教えたいと考えているはずです。
なので、子供に教えるときは、「何で出来ないの?」とは絶対に言わずに、どうすれば出来るようになるかを考えて教えるようにして頂きたいのです。
「何で出来ないの?」から「何で出来ないんだろう?」に変えましょう
ここで、私から提案したいのが、「何で出来ないの?」と言いたくなったとき、「何で出来ないんだろう?」に変えることです。
そうすると、何で出来ないかに自然と注目するようになります。
出来ない原因に注目して、子供の動きをよく観察すれば、「あっ、これが悪いからできないんだ」と発見できるようになるのです。
「何で出来ないの?」と絶対に言わない姿勢で子供に教えるようにすると、あなたの教え方は確実に上達していくのです。