子供がスノーボードを始めたばかりの頃は、前足に体重を乗せることが重要になります。
詳しくはこちらの記事で書いていますが、前足に体重を乗せることが出来ると、ボードを操作しやすくなるからです。
ですが、子供に「前足に体重を乗せて!」とだけ言っても、伝わらないこともあるんですね。
そんなとき、違う表現で説明してあげると伝わることがあります。そのため、表現方法に「前足に体重を乗せて!」以外のバリエーションを持っておいたほう安心なんです。
そこで今回は、どのように表現して、子供に前足荷重を教えるかについて書いていきます。
前足荷重とは?
念のため、前足荷重とはなにか説明しておきます。
前足荷重とは、前足に多く体重を乗せることです。
スノーボードは横向きで滑るので、進行方向に対してどちらかの足が前にきます(レギュラースタンスの場合は左足、グーフィースタンスの場合は右足が前足になりますね)
その足に、後ろ側の足よりも多く体重を乗せることを前足荷重といいます。
後ろ足の膝を伸ばす
では本題に入りまして、前足荷重をどのような表現で教えるかについて書いていきます。
私が最も多く使うのが、後ろ足の膝を伸ばすという表現です。
両方の膝を同じくらい曲げた状態から、後ろ足の膝だけ伸ばすと、自然と前足に体重が乗ります。なので、「前足に体重を乗せて!」と言っても、うまく伝わっていないと感じたら、この表現に切り替えます。
具体的には、「両方の膝を曲げて」と言ってから、後ろ足の膝を触り、「こっちの膝だけ伸ばして」と教えます。
そうすると勝手に前足に体重が乗るので、「これが前足に体重を乗せた姿勢だよ」と教えるんです。
この表現は、膝を伸ばすだけなので子供でも簡単に理解できます。
体重や体軸を移動させると言っても、子供には難しいんですね。なので、「前足に体重を乗せて!」で伝わらない場合は、私はまずこの表現を使います。
余談になりますが、この表現は、急斜面を滑るときにも使えます。
急斜面を滑るときは、どうしても体がボードに遅れがちになるので、前足ではなく後ろ足に体重が乗りやすくなります。このとき、後ろ足の膝を伸ばすようにすると、強制的に前足に体重移動することになります。
なので、急斜面でターンをするときは、ブレーキが終わって次のターンに入ろうとするとき、後ろ足の膝を伸ばして体重を移動してから入るようにすると、ターンがしやすくなるのです。
私も、急斜面でブレーキをしながら滑りたいときは、後ろ足を伸ばして次のターンに入るようにしています。
膝と腰と肩を前足の真上にもってくる
大抵の場合、上で書いた「後ろ足の膝を伸ばす」で伝わるのですが、それでもダメな場合は「膝と腰と肩を、前足の真上にもってくる」と教えます。
ただし、この場合、言葉で説明しても理解しにくいです。
なので、子供のボードを足で押さえながら、膝と腰を前に引っ張ります。それで、膝と腰が前足の真上にきたら、次に肩を前に引っ張ります。
そうしてから、「こうやって膝と腰と肩を、前足の真上にもってくると前足に体重を乗せられるよ」と教えます。
表現方法とはちょっと違うかもしれませんが、なかなか言葉では伝えにくいので、実際に子供を動かして、姿勢を作ってあげることで前足荷重を教えます。
それ以外の表現
他にも、前足に体重を乗せるための説明はたくさんあります。例えば、
- 前に手を伸ばす
- 前の肩を下げる
- 頭を前に移動させる
- へその位置を前に移動させる
などです。これらも表現方法として覚えていても損はないのですが、私はあまり使いません。
というのは、上記の方法は、人によってはヘンな姿勢になってしまうことがあるからです。具体的に言いますと、
- 前に手を伸ばす
- 前の肩を下げる
- 頭を前に移動させる
の表現の場合、上半身は前に動くのですが、反動で腰の位置が後ろに下がってしまう場合があるんです。体の軸がズレてしまうことがあるんですね。
逆に、へその位置を前に移動させるでは、へそだけが前に移動して、上半身が後ろに下がってしまうことがあるんです。
そのため、「後ろ足の膝を伸ばす」や「膝と腰と肩を前足の真上にもってくる」をよく使います。
ただし、子供によっては、私があまり使わない表現の方がすんなりと前足に体重を乗せられる場合もあります。
ですので、ひとつの表現方法に固執せず、子供に伝わりやすいものを選択してあげるのが良いです。
そのためにも、以上で書いてきたようなバリエーションを用意しておくと安心です。