今回は、子供が止まる練習をするときの、ロープを使った補助の仕方をご紹介します。
子供が、止まる感覚はなんとなくつかめてきたけど、まだ完璧に止まれるわけではないというときに便利な方法です。
止まる練習に最適な場所は少ない
子供が止まれるようになってくると、リフトを使って練習したくなります。
歩いて登るのは親子とも疲れますし、子供が「リフトに乗ってみたい」と言い出すからです。
それで、いざリフトを使ってコースに出てみると、「止まる練習をする場所がない」となるんです。
理由は、スキー場は、滑っている時に止まらないようにコースが作られているので、徐々に斜度がなくなり自然と止まってくれるような場所が少ないからです。
子供がまだ完璧に止まれない場合、斜面が続く場所で止まる練習をすると、止まれなかったときにはそのまま滑り続けて暴走してしまう可能性があります。
なので、うまく止まれなかった時のことを考えると、自然と止まってくれるような場所で練習したいのですが、それが少ないので困ってしまうのです。
ロープを使った補助がオススメ
このような時にロープを使った補助がオススメです。
子供にロープを付けて親がそれを持っていれば、止まれない時にロープを引っ張るだけで、暴走してしまうことがなくなるからです。
暴走する心配がなくなれば、斜面が続く場所でも止まる練習が出来ますし、ちょっとくらい斜度がキツくても止まる練習が出来るんです。
ちょっと見栄えは悪いのですが、実際にやってみてオススメ出来る方法だと感じています。
どのようなロープを使いどうやって付けるのか
ロープの素材や結び方については、こちらの記事で紹介しておりますので、ここでは簡単に説明させて頂きます。
4~6歳児にオススメするバックサイドの横滑りや木の葉落としの補助の方法
使用するロープは、太さ1センチくらいで7~10mくらいの長さのものが使いやすいです。
このロープに「もやい結び」や「チチワ結び」などを使って輪を作ります。
このとき、黄色の矢印の長さが1mくらいになるように輪を作ると使いやすいです。
輪を作ったら、2重になっている部分を子供の腰に回して、輪の端に反対側の端を通します。
通した反対側の端を引っ張っていき、子供の腰に固定します。
このとき、輪の端の部分が、子供の進行方向に対して後ろ側の腰にくるように固定してください。レギュラーの場合は右腰、グーフィーの場合は左腰です。
どうやって補助をするのか
ロープをつけたら、あとは親がロープを持って、「止まる練習」をするだけです。
この時のコツとして、常にロープを引っ張らない方が子供はうまく滑れます。ロープが緩みすぎない程度の距離を保ちながら、後ろを滑ってください。
それで、「止まれそうもないな」と感じた時にロープを引っ張ってあげます。そうすることで、子供の滑りを邪魔しませんし、止まれなくなったときだけ暴走することを防げます。
直滑降→停止を繰り返すことができる
止まる練習というのは、直滑降(まっすぐ滑っている)の状態からボードを横に向けてブレーキをするのですが、ロープを付けた補助の時は、これを繰り返してやることが出来ます。
具体的には、ブレーキをして止まれたら、またノーズを下に向けて滑り出します。そして、またブレーキをします。これを何度も繰り返します。
小さくて分かりにくいですが、上の連続写真のように、ブレーキが出来たらまたノーズを進行方向に向けて滑り出します。
子供に「まっすぐ滑るー。ブレーキ。またまっすぐ滑るー。ブレーキ。」と交互に声をかけてあげると、子供は直滑降をしたりブレーキをしたりしながら滑ってくれますよ。
こうすると、何度も止まる練習が出来るので、子供が止まる感覚を身につけやすくなります。
補足として、子供がノーズを谷側に向けられず、うまく直滑降にならないときは、軽くロープを引っ張ってあげて下さい。そうすると、後ろの腰が引っ張られるので、ノーズを谷側に向けやすくなり、直滑降に入りやすくなりますよ。
ロープを使った横滑りや木の葉落としと一緒にやると効率的
私は以前、4~6歳児にオススメするバックサイドの横滑りや木の葉落としの補助の方法という記事で、ロープを使った横滑りや木の葉落としの補助の仕方をご紹介しています。
これと、今回ご紹介した止まる練習でのロープを使った補助を組み合わせると、より効率良く練習ができます。
スキー場の初心者コースと言っても、斜度に変化があるコースもあります。
そんなコースでは、斜度がキツイところでは、横滑りや木の葉落としを使って滑り、斜度がゆるくなったら止まる練習をするでしょう。
ロープの付け根の位置を、横滑りや木の葉落としの時は腰の真ん中に、止まる練習の時は後ろの腰にズラすだけで、斜度の変化に合わせて滑り方を変えても対応できます。
こうすることで、リフトを使っても、子供は暴走する心配がない状況で、自分で滑る感覚を身につけられます。